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ルソー(1712-1778)

ジャン・ジャック・ルソー(Jean Jacques Rousseau)はフランスの思想家です。プロテスタントの貧しい時計職人の子どもとしてジュネーブに生まれ、生後すぐに母親を失い、10歳の時には父が家出したため、少年時代はイタリアやフランスを放浪して歩きました。学問をなにも身につけていませんでしたが、1731年から貴婦人の保護を受け、哲学・文学・自然科学の研究をするなかで、影響力のある思想家になっていきます。ルソーの著作はいろいろありますが、教育に関するものでは『エミール』が有名です。

『エミール』という書物は教育思想とともに教養小説の体裁をもった読み物で、家庭教師の指導のもとで、孤児エミールが成長して結婚するまでを描いています。『造物主の手を離れるとき、すべてが善で、人間の手に渡ると、すべてが悪になると』という言葉は有名です。その子育て論の骨格は、社会や家族や習慣や偏見の悪影響から子どもを守って、人間に本来備わっている自然の芽をできるだけ自由自在に大きく伸ばしてやるとというもので、書籍を通じての学問ではなく、経験や自然とのふれあいを介しての教育を強調しました。


ルソーはほうらつな女性と結婚し、5人の子どもをもうけます。しかし、すべて養育院へ送ってしまうなど、とても教育的な人ではないのですが、エミールはそうした自分の生き方への反省も込めて書かれました。そして、エミールで描かれた内容は当時の貴族達のスコラ的な書物偏重の形式的教育と鋭く対立したので、国外にのがれたりしました。

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