同じような原因と理由で、幼児期や児童の心と身体を蝕む病気に、情緒剥奪症候群があります。かつては、教育のことはなんでも母親の責任とばかりに、母性剥奪低身長症とか母性剥奪症候群とか呼ばれていましたが、家庭崩壊が引き金となることがあるこの病気は、父親の責任も重大であるため、今日では情調剥奪症候群という病名で統一されています。
当然、家庭崩壊等が原因ですから、孤児となった子ども達にも多く見られる症状で、戦争が日常化している世界各地の子ども達にも多数見られる悲しい病気です。この病気にかかった子ども達はやはり身長が低く、体重も十分ではありません。ガツガツ食物を食べては嘔吐や下痢を繰り返し、目がうつろで自分の頭を壁に打ち付けるような行動もします。また、仲間と遊ぶことができないとか、知能の発達障害なども併発することがあります。
この病気の治癒には愛情が溢れる扱いがポイントで、専門の施設に入って、可愛がられ大人にも信頼を置くようになると、急速にその症状が改善されていくといいます。愛情遮断症候群にせよ、情緒剥奪症候群にせよ、いずれも親の愛情や親とのスキンシップがいかに大切かを問いかけています。