子育ての最終目的は最初の項でも述べたように、よき社会人として子ども達を世に送り出すことです。ですから、さまざまなことが自由自在にできる能力を身につけ、将来、社会で役立つようにするには、そうした能力を育むことになる学びの環境を大人達が用意し、子ども達の学びの心とチャレンジ精神を養う必要があります。
子育ての不安
今や、母親の皆さんは子どもが生まれるともう乳児の時代から「ほかの子どもよりお勉強のできる優秀な子どもに育てたい」と熱望するようになるようです。ですから、幼稚園などに我が子を入園させれば、まずは先生達に「うちの子はなんにもできませんので、どうぞどうぞいろいろ教えてやってください」などと懇願することになります。
反抗期というのは子ども達が成長する過程で何回も出会うものです。小学生の低学年くらいになれば、「おなべが煮立っていないかどうか見てきて」などと母親に指示されると、いやいやながらの返事を「うーん」などとしておいて、母親に叱られるまで報告せず、口を尖らせて「見てきてというから、見てきたんだ」などとかわいげのないことをいったりします(本文を書いている筆者にはその思いでがあります)。
サーカスの曲芸に登場する動物達は素晴らしいさまざまな芸を観客に披露して拍手喝采を受けます。また、水族館のイルカのショウーもみごとなものです。これは動物達がよく教育されているからでしょうか。残念ながらこれは調教という動物の訓練手法で成り立っているもので、人間の教育には不向きです。人間にこの手法を使って、うまくできたらごほうびをやり、拍手喝采するようなことをしていたら、幼児はほめられなければ努力しない子どもになってしまいます。ですから、「子どもはほめて育てましょう」などと単純にいいきる教育論は正しくありません。
幼児期から子どもの意欲をなくしてしまう手法が家庭も含めた教育の世界ではよく行われています。その具体的な例が、罰としてお掃除当番をさせたり、罰として校庭を一周させたり、罰としてお買い物やお留守番をさせるといったやり方です。