人間は変態しながら成長する生き物であると述べましたが、その変態する一つひとつの過程で立派に完成した生き物なのです。つまり、乳児は乳児として、幼児は幼児として、小児(あるいは児童)は小児として立派に完成しているのであり、人間として大人より劣っているわけではありません。
人間が成長するこうした本質をしっかり理解しておくと、お母さん達が手をやくさまざまな幼児に関わる悩みも子育ての楽しみに変わるようになります。なぜならそれは自分がいつかたどってきた道だからです。
というのも実は、子育ての中で、子ども達にこまらされているあれこれは、母親自身が人間としてまだ幼かった時期に、同じように自分の母親をこまらせていたことでもあるのです。しかし、人間は成長してしまうと、自分の発展過程をすっかり忘れ去ってしまうという始末の悪い生き物でもあることを、母親の皆さんは自覚すべきです。